走ることについて語るときに僕の語ること

その中に一人、兄(その人もランナー)に教わった文句を、走り始めて以来ずっと、レース中に頭の中で反芻しているというランナーがいた。Pain is inevitable. Suffering is optional. それが彼のマントラだった。正確なニュアンスは日本語に訳しにくいのだが、 あえてごく簡単に訳せば、「痛みは避けがたいが、苦しみはオプショナル(こちら次第)」ということになる。たとえば走っていて「ああ、きつい、もう駄目だ」と思ったとして、「きつい」というのは避けようのない事実だが、「もう駄目」かどうかはあくまで本人の裁量に委ねられていることである。

村上春樹

фотограф я не очень, так что держите модного (или уже не) селфи:
selfie